A先生の保育エピソード
日々の保育でよく見る子どもの姿、A先生の実践記録です。
大人のしぐさや言葉が子どもにとっての『お手本』。
2歳児Aちゃんが持っていたおもちゃの携帯電話を1歳児Bちゃんが黙って持っていこうとした。Aちゃんはとられたと思い、保育者に訴えてきた。
保育者「今はAちゃんが使っているからね。Bちゃんも使いたかったんだね。貸してだよね~」とは言ったものの1歳児に「貸して」「いいよ」を理解すること、まして言葉にすることはまだ無理です。
Bちゃんに「先生と一緒に言おうね。”Aちゃん貸して”」と言うとAちゃんは”小さいから仕方がないかぁ”という顔をしてBちゃんに貸してあげました。
「Bちゃんよかったね。嬉しいね、ありがとうAちゃん」と言うとなんとBちゃん「貸して」と言えたのです。
ところが、Bちゃんは電話で遊ぶのではなく、置いて他の場所に行ってしまいました。
BちゃんはAちゃんの持っている物が気になり、手を出しただけだったようです。
そして”貸して”は言葉としての”かして”だったのでしょうね。
低年齢で言葉のでない子ども達は、こうした思いをそれぞれの出し方で表現します。
「だめー」の声の前に”使いたかったね”、”使ってるね”など子どもの状態や気持ちを大人が察して言葉にしてあげることが大事ですね。